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第6回 敗戦から63度目の終戦記念日に



川島高峰
(かわしま・たかね)

 明治大学情報コミュニケーション学部准教授・政治学博士。1963年生まれ。専門は「近代日本民衆思想史」。主著『流言・投書の太平洋戦争』(講談社学術文庫)。
 新聞を教材に活用した新しい教養リテラシー教育を提唱している。今年度から「専門情報リテラシー(時事問題)」という講座を開講、その授業をウェブでも展開する試み。
 新聞スクラップの情報化を目指し新しい切り口で行う『学声人語』、ケータイを授業で活用し授業のたびに学生に「お題」を投げて回答を集めた「先週の学生の声」、そして、その結果をもとに学生にさらに考えさせるなどの新しい試みもしている。

■ 講義録 
区切りなき時代に、戦後日本の区切りを考える


 敗戦から63度目の終戦記念日をむかえた。毎年、終戦記念日には、どこの新聞社でも大きな特集を組むものである。このことを戦後日本は63回も繰り返してきた。この日は、戦後日本の重要な「区切り」という意味を持つ。これに次ぐ扱いになるのが憲法記念日で、この二つの日が報道で重視されるのは、「終戦」が戦後の端緒となり、「憲法」が民主主義の基盤になったからである。いずれも戦後民主主義という現代日本の起点となった。

 2つの日を比較すると、新聞でもテレビでも、終戦記念日の方がずっと扱いが大きい。敗戦・終戦は、国民的な体験だったのである。このような報道特集の在り方は、ネットメディアの世界との大きな相違だろう。それはメディアの担い手が、戦後世代、それも高度成長以降の世代が中心となるためである。こうした若い世代から見ると、この終戦記念日にはいくつかの謎がある。

 第一に、なぜ「敗戦」ではなく「終戦」なのか? それは1945年/昭和20年の当時、日本社会は敗戦という表現を忌み嫌ったからである。当時は、「占領軍」という表現を避け、「進駐軍」と言い換えたくらいである。そして、この日は「終戦」と呼ばれる習わしとなった。


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