封印された真相(韓国・台湾)
二つの虐殺 究明に市民連携

外岡秀俊 そとおか ひでとし
札幌生まれ。東大法学部卒後、朝日新聞入社。学芸部、社会部を経てニューヨーク特派員、アエラ編集部員、社会部編集委員、論説委員などの後、ヨーロッパ総局長、ゼネラルエディター兼東京本社編集局長。2007年10月からアジア担当編集委員(香港駐在)。
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「済州島4.3事件」と「2.28事件」――。60年ほど前の韓国と台湾で、民衆虐殺事件が起きた。封印された真相の究明を進める動きがいま、連携を深めつつある。
「そのとき、村には何人の住人がいましたか。この名簿に、ご存じの方はいますか」
先月下旬、韓国・済州島の老人ホームで、金恩希さん(41)が尋ねた。
「この人を知っている。この人も」。身を乗り出して死亡者名簿を眺めていた高漢国さん(76)が声を張りあげた。その表情を、金明主さん(26)がビデオカメラで追い続ける。
2人の金さんは、社団法人「済州4.3研究所」の研究員だ。「証言採録班」4人はこの4年間で800人以上の体験者証言を録音や録画におさめ、60巻の証言集を刊行してきた。
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